4毒抜きを始めて、一番あきらめたのが麺でした。
うどん、パスタ、ラーメン、そうめん。全部小麦なので、まるごと食卓から消えます。玄米があるので主食には困らないんですが、麺をすする感覚だけは別枠で恋しくなるものだなと。
ただ、しばらく続けてわかったのは、麺そのものを手放す必要はないということでした。小麦以外で作られた麺はちゃんとあります。しかも探せば探すほど選択肢が増えていて、今では月に何度か麺の日があります。
うちで回しているのは、十割そば、米粉のビーフン、それにたまに使うフォー。最近そこにライスパスタが加わりました。この4つと、選ぶときに見ているところをまとめます。
そばは十割だけ

うちで食べるそばは、基本的に十割です。
そばなら小麦じゃないから大丈夫、と思い込んでいた時期がありました。でもこれが最初の落とし穴で。
そばの「十割」「二八」というのは、そば粉とつなぎの割合を表しています。二八そばはそば粉8割に対してつなぎが2割。このつなぎの正体が小麦粉です。 つまり、そばと書いてあっても小麦を食べていることになります。市販の乾麺は二八どころか、そば粉の割合がもっと低いものもあります。
対して十割そばは、つなぎを使わずそば粉と水だけで作られたもの。十割と書いてあれば小麦は入っていない、という判断ができます。商品によってはそば粉と食塩だけ、食塩すら入っていないものもあって、原材料表示が短いほど安心して選べます。
値段は少し上がりますが、スーパーでも普通に手に入るようになりました。麺欲を満たせる選択肢としては、うちでは一番の主力です。
そばのいいところは、家族と同じものを食べられる点でもあります。うちは家族に4毒抜きを強制していないので、私だけ別のものを食べる日もあります。でも十割そばなら全員で同じものを囲める。味も普通のそばなので、子どもも気づかずに食べています。

めんつゆも自家製、ただし夏は手間
そばを食べる回数が増えると、めんつゆの消費も増えます。市販のものは裏を見ると果糖ぶどう糖液糖や調味料、酵母エキスが並んでいるので、うちは自家製にしています。
やることはシンプルで、昆布とかつお節で出汁を取って、醤油とみりんを合わせて、弱火で少し煮詰めるだけ。余計なものが入らないぶん、すっきりした味になります。
ただ、これには弱点があります。保存料が入っていないので日持ちしません。梅雨から夏にかけては特に早くて、気づくとなくなっている。なくなったらまたすぐに作らないといけないので、そこだけが手間です(笑)。
作り置きしておけばいいんですが、日持ちしないので大量には作れない。この時期は、そばを食べる頻度とめんつゆの残量をにらみながら過ごしています。
とはいえ、だしがらの再利用という副産物もあります。出汁を取り終わった昆布とかつお節を刻んで醤油を垂らせば、そのままごはんのおともになる。手間はかかるけれど、無駄が出ないのは気持ちがいいところです。

ビーフンは米粉100%を確認する

米粉の麺だから安心、というのがもう一つの落とし穴でした。
ビーフンは本来、名前のとおり米の粉から作られる麺です。ところが近年はコストと食感の都合でコーンスターチを混ぜたものが主流になっていて、商品によってはコーンスターチのほうが第一原材料になっているものもあります。
それだけならまだしも、台湾産のものなどには小麦粉が入っている商品が普通にあります。 原材料表示に、コーンスターチ、小麦粉、米、と並んでいるのを見たときは驚きました。
なので、パッケージの表側の「米粉」という文字では判断しません。裏を見て、米粉100%のものを選びます。ここさえ押さえれば、小麦も油も入っていない麺が食べられます。
ちなみにコーンスターチやタピオカ澱粉が入っていても、4毒の基準では該当しません。小麦でも植物油でも乳製品でもないので。ただ、米粉100%のものが選べるなら、そちらのほうがシンプルではあります。
焼きビーフンは、野菜がたくさん入る

少し中華っぽいものが食べたいと思ったら、焼きビーフンにします。
作り方は雑で、野菜をざくっと切って、麺と一緒に炒めるだけ。味付けは塩胡椒と醤油。うちではここに隠し味で味噌を少し入れることもあります。
これがいいのは、野菜がいくらでも入るところです。ピーマン、人参、もやし、チンゲン菜。冷蔵庫に残っているものを全部放り込めば、それで一皿になります。もらいものの野菜を消費したいときにも便利で、うちでは何度もこれに助けられました。
この夏は、義母さんからきゅうりやピーマンを大量にもらうことが何度かあって、そのたびに焼きビーフンが登場しました。もらいものを腐らせる前に使い切りたい、という現実的な事情からの献立です。ただ、そういう制約があるほうが、かえって同じメニューを繰り返さずに済むという面もあります。
さらっと食べられるので、暑い時期でも重くありません。子どもも「おいしい」と言って食べてくれるので、家族全員が同じものを食べられる献立としても優秀です。野菜がたくさん取れて、子どもが喜んで、しかも小麦なし。いいアイテムだなと思っています。
味付けはまだ塩胡椒と醤油のパターンしか試していないので、ほかにもいろいろあるはずです。カレー粉を振ってもよさそうですし、酢を効かせてさっぱりさせる方向もありそう。そのあたりは今後の宿題です。
ビーフンは乾麺なので日持ちするのもいいところで、うちでは乾物のコーナーに常備しています。ただ、日持ちするぶん存在を忘れがちで、気づいたら何ヶ月も置きっぱなし、ということも何度かありました(笑)。
ライスパスタは、パスタとは違うけれど

パスタが食べたくなったときは、ライスパスタを使います。
これは正直に書いておくと、小麦のパスタとは食感が違います。ゆですぎるとそうめんみたいになるし、もともとそうめん寄りの質感があるので、調理のときに少しべちょっとします。アルデンテのあの歯ごたえを期待すると、ちょっと違うなとなるはずです。
ただ、そこを除けば全然いけます。パスタとは違うものとして受け止めれば、これはこれでおいしい。何より、小麦じゃないので罪悪感なく食べられるのが大きいです(笑)。
うちで作るのは主に2パターンです。トマト缶とミンチでミートパスタにするか、塩胡椒と醤油、にんにく、ラードでペペロンチーノにするか。
ペペロンチーノをラードで作るのは、4毒抜きを始めてから覚えたやり方です。 オリーブオイルを使わないので、代わりに動物性の脂を使う。これが意外と合います。にんにくの香りとラードのコクで、しっかり食べごたえが出ます。

ゆで加減だけは気をつけたほうがいいです。表示時間より少し短めに上げて、ソースと絡めながら仕上げるくらいがちょうどいい。ここを失敗するとそうめんになります。
最初のころは何度かやらかしました。小麦のパスタと同じ感覚でゆでると、確実にやわらかくなりすぎる。しかも一度そうなると戻せないので、ソースと絡めた時点で一体化してしまいます。麺の種類が変わればゆで方も変わる、というだけの話なんですが、体で覚えるまでに何回かかかりました。
フォーはたまに使います

スープ系が食べたいときは、フォーを使うこともあります。
フォーも米粉の麺なので、選び方はビーフンと同じです。裏を見て確認するのが前提。米粉の麺は種類が増えてきたぶん、商品ごとの差も大きくなっている感じがあります。
うちでの登場頻度は、そばやビーフンほど高くありません。たまに、という感じです。ただ、あの平たい麺がスープを吸う感じは他で代えがきかないので、常備はしています。
温かい麺類にも使うし、冷たいそうめんみたいな食べ方しています。
鶏肉で出汁を取ったスープに醤油を垂らせば、それだけで一杯になります。パクチーがなくても、ねぎと生姜があれば十分。乾麺なので日持ちしますし、思い立ったときに作れるのがいいところです。
あと、市販のうどんつゆと合わせても美味しいと思います。その時は4毒に注意をしてみてください。

ライスパスタはスープ系にも化ける

ライスパスタも、もちもちした質感があるのでスープとの相性がいいと思っています。
炒めるだけじゃなくて、ラーメンっぽい料理にも使えます。鶏がらスープに醤油を垂らせば醤油ラーメン風、味噌を入れれば味噌ラーメン風。ラーメンは4毒抜きだと真っ先に消えるジャンルなので、こういう形で近いものが食べられるのはありがたいところです。
夏なら、酢を使ってさっぱりした冷やし中華もどきにするのもいいなと。まだ試していませんが、そうめん寄りの質感を考えると、冷やして食べるほうが本領を発揮しそうな気がしています。
冷やし中華のたれは市販だと砂糖と植物油がしっかり入っているので、そこは自分で合わせることになります。うちは米酢と醤油が常備されているので、そこにごまでも足せば形にはなるはずです。これは近いうちに試したいところ。
一つの麺で炒め物にもスープにもなるので、常備しておく価値はあります。
麺より、つゆと具材のほうが危ない
麺そのものをクリアしても、まだ気を抜けないのが周辺です。
一番わかりやすいのが天ぷらで、衣が小麦、しかも油で揚げてある。そばに乗せる定番ですが、うちでは完全に対象外になりました。かき揚げそばが食べられないのは、始めた当初はけっこうこたえました。
かまぼこやちくわも、原材料を見ると砂糖や植物油脂が入っていることがあります。魚のすり身だから大丈夫だろうと思って手に取ると引っかかるやつです。
市販のめんつゆも同じで、せっかく十割そばを選んでも、つゆで小麦と砂糖を取っていたら意味が薄くなります。うちが自家製にしているのは、そこを避けたいからです。
麺を選ぶところで満足してしまいがちなんですが、落とし穴はむしろ周辺に多い。うちでは、そばの具はねぎと鶏ミンチの炒めもの、というパターンに落ち着きました。
なので我が家では、めんつゆもスープも、作れるときは自作するようにしています。

ZENBは買っていません
グルテンフリーの麺で調べると、必ずZENBが出てきます。黄えんどう豆から作られた麺で、小麦も米も使っていません。4毒の基準で言えば問題なしです。
ただ、うちでは使っていません。理由は単純に価格で、毎日のことを考えると続かない。1食あたりで計算したときに、そこまで出せないなというのが結論でした。
4毒抜きって、特別な日の食事ではなく毎日の食事です。続けられる価格帯かどうかは、成分と同じくらい大事な基準だと思っています。どれだけ体によくても、家計が持たなければ続きません。
その点、十割そばもビーフンもフォーもライスパスタも、スーパーで買えて価格も現実的です。うちがこの4つに落ち着いたのは、成分と値段の両方で無理がなかったからです。
代用を探す時間が、けっこう楽しい
4毒抜きというと制限の話に聞こえますが、実際にやっていることは代用品探しに近いです。
小麦がダメなら米粉がある。オリーブオイルがダメならラードがある。そうやって置き換えていくと、意外と困らない。むしろ、こんなものまであるのかという発見のほうが多いくらいです。
スーパーで「今日は何を代用して作ろうかな」と考えている時間が、けっこう好きです。以前はお菓子やパンの棚を見ていたのが、今は乾物や粉物の棚を見ている。同じ店に行っても、見ている場所がまるごと入れ替わりました。
麺をあきらめる必要はありませんでした。そばは十割、ビーフンは米粉100%。この2つを覚えておけば、麺類の棚で迷う時間はかなり減ります。あとはライスパスタのように、違うものとして楽しめばいい。
厳密にやりすぎると続かないので、こういうものを見つけながらゆるく楽しむのもアリかなと思っています。
※あくまで個人の実践方法です。商品の原材料は変更されることがあるので、購入時にご自身で確認してください。

